ダナンの雇用問題を考える

生活情報
この記事は約6分で読めます。

ダナンの経済構造

ダナンはIT産業、観光業、製造業や漁業、建材製造業が主な産業です。その中でも特に目覚ましい発展は環境業で、2023年の下半期の観光客数のデータはコロナ前を上回り好調な経済というニュースを目にしました。しかし、これを見てほんとかなーと思いました。おそらく観光客数は増えているけど、あまりお金を落とさないので、地元の人たちにはあまり恩恵がないのではと思っています。特にコロナ前はお金持ちの中国人が団体とかで来てお金を落としていたそうですが、中国人旅行者の姿はほぼ見かけません。その代わりに、多いのは韓国人、インド人、ヨーロッパ、アメリカ人、ロシア人です。

韓国人が作るコミュニティー経済圏

ダナンには韓国人が多いですが、彼らは自分たちのコミュニティの中で経済を作っていて、彼らの中だけでお金が回る仕組みになっています。その証拠に、韓国人経営の韓国人旅行者向けのお土産屋さんやカフェ、レストラン、バー、スパ(日本でいうマッサージ)までありとあらゆるお店が多数あります。団体旅行客がバスで来て、ワーッとお土産屋さんとかでこのようなお店でお金を落とすわけです。しかし、それは地元経済にはほぼ反映されません。
また、彼らの多くは割と閉鎖的な人が多く、韓国人同士だけの生活をしているため何年も住んでいるのに英語やベトナム語がまったく話せないという人が少なくありません。

ヨーロッパ人は圧倒的にケチが多い

一方、ヨーロッパの旅行客は本当にお金を使う人が少ないです。つまり、悪い言い方をするとケチが多いわけです。その一例として、私が利用していたコワーキングスペースのオーストリア人の女性はベトナムに長期滞在しているそうですが、バイクをレンタルした時にローカルの人たちの1.5倍の値段を払わされたとか文句を言っていました。正直それはチップまたは税金として受け止めるべきだと私は考えます。彼らの国で同じことをしたら数倍、下手したら数十倍することもあります。スクーターのレンタルなど1カ月間かりてわずか2M VND(13,000円)程度です。それを3M VND取られたから、あーだこーだと。。。安い物価の恩恵を受けているのだから、ローカルの人たちより多く請求されるのはあたりませ。気分よく支払えばよいだけの事です。これに文句を言っていた人の考え私は全く理解に苦しみました。同様のスクーターを日本で借りてもおそらく4万円はするでしょう。オーストリアで借りたら少なくとも日本のその1.5倍もしくは2倍するかと思います。それから考えると1M多く支払うのに何を寝言言っているのかと思えます。

スキルのミスマッチ

話はもどりますが、観光産業の好景気は、実際のところ、一般のダナンの労働者には恩恵はあるのでしょうか?私はそうは思いません。むしろ、周りの地元のベトナム人を見ているとコロナ前より厳しい状況ではないかと思います。その理由としては、ダナンはホーチミンに比べると現地の雇用を十分に賄えるような産業がまだ育ってないというのもあるかもしれません。しかし、私が強く感じるのは、労働者のスキル不足とアウトプットのレベルの低さです。これは地元の人にいうと怒られてしまうかもしれませんが、ホーチミンの労働者と比べると作業のペースが遅く仕事に対する姿勢が緩いなーと思う時が多々あります。正直ホーチミンの仕事に慣れた人がダナンの人と仕事するとイライラするのではないでしょうか。ダナンの人たちは正直田舎者です。時間がゆっくりと流れているのです。

また、これはダナンに限った事ではないかもしれせんが、ダナンではパソコンを使わないで仕事する人が結構います。これには正直びっくりした。例えば、ホテルのレシートが不通に出書きだったり…読めないので絶対に手書きはやめてほしいのですが。その他、ちょっと考えられないほどの手作業だったりします。しかし、その逆にスマフォは使いこないしているのですが。仕事ではやはりパソコンでないと作業が進まないのが多いのも事実。そのあたりのIT化、時代の遅れ、自動化の遅れというのがいつも感じるところです。

リスキリング(re-skilling)

経済を発展するには、ダナンの人々は変わる必要があります。まず、ITによる徹底的な自動化、効率化が必須。ベトナムの人件費は他の先進国に比べると安く若い労働人口も豊富にいます。もしかしたら、これがIT化を阻止している要因の一つのように思えます。IT化、自動化、機械化のメリットとして、退屈な繰り返すような作業を機械に置き換えられることだと思います。退屈な作業は機械がやれば、文句は言わないし、遅刻もしないし、停電さえなければ確実に仕事を成し遂げます。これが人間の場合だと、初心者の場合一定時間のトレーニングが必要です。そのトレーニングが終わった後に現場をやるわけですが、最初の内は作業を間違えたり、その他のミスをしたりと。。。やっと覚えたころには、人が入れ替わったりする場合もあります。

人間と機械がやる仕事の切り分けが必須

これは人件費だけの問題ではないです。機械ができる事は機械に任せる、人間じゃないとできない事は人間がやるという切り分けが必要だと思います。ましてや、AIの進化や、ロボットによる自動化が進み、これまで人がやっていた工場でのマニュアル通りの作業というのは、人口成長率が鈍っているここベトナムでもどんどん減っていくかと思います。マニュアル通りの作業は機械の場合、間違えないで文句言わずに行います。本来そのような仕事は人間がやるべきではない、機械にやってもらうべき仕事だと考えています。今からでも遅くないので、若い世代にITを使いこなせるようになって、機械ができる作業は機械にという考え方を普及して欲しいと思っています。また、そのために何か役に立つようなことをできればとおも思っています。

職場で必要な知識とスキルの習得

まず、それにはITの基本的な知識やノウハウが必須です。これをまず改善する必要があります。ダナンの労働者に必要なのはそういったスキルです。語学、例えば英語とか中国語が出来ればよいかもしれません、ただそのような仕事も今後いや今でも大分減ってきているはずです。例えば、フエの城跡のツアーでは一昔前であれば、ガイドがグループを先導していったかと思いますが、今はGPS情報と録音内容が連動するデバイスで正確な言葉で案内できます。しかもガイドの費用よりも安く。もちろん人の方が良いという人も沢山いくるかもしれません、ですが、ガイドの仕事がそれらのデバイスに変わっているというのも事実かと思います。

この波に逆らうのではなく、むしろ追い風として受け止め、自ら新しいスキルを習得してそれを活用してさらに上のレベルと切磋琢磨することが必要です。

結局のところ

ベトナムには一般的に、真面目で働き者な人が多いです。また、忍耐強く、さほど文句も言わずに、頑張って働く人が多いです。なので、若い世代はこれからの時代に必要なスキルを習得、シニアー世代にはリスキリングというのは時間がかかるかもしれませんが、きっと第二のシンガポールになる日はそう遠くはないと思います。

ただ問題は、経営者のマインドセットにもあるかと思います。指導して育てるという考えが根づいていないと感じます。例えば、経営者は未だにいかに安い賃金で雇用するかを考えているような事です。これは、まったく時代にマッチしていない考え方です。
また、サービス産業ではいまだに罰金制度というのがあるそうです。職場での罰金制度に関してはとても興味があるので、後日別の記事にしたいと思ってます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました