基本情報
ベトナム中部のダナン地域を中心に食べられている米粉の麺料理です。この料理はクアンナム地方(ダナン、ホイアン)で好まれて食べられており、クアンナムのソウル・フードといっても過言ではないでしょう。
具材には鶏肉やエビ、イカなどが使われ、トッピングにはハーブやピーナッツが添えられます。お店によってはウズラの卵も入っている場合もあります。サイドとして米粉でできたおせんべいがつきます。いくつかパターンがありますが、少し色がついたゴマ色の物や白いもの。いずれにせよ汁につけてバリバリと食べます。このおせんべいは箸休めにも良いでしょう。
ミークアンの特徴としては、米粉とタピオカ・デンプンで出来た平べったいめんと、ピーナッツ、スープが少量という点かと思います。日本で言うと、生醤油の讃岐うどんにたっぷりと野菜や魚介、鶏肉をいれたごちゃ混ぜ料理といった感じです。それと、肝心なのはターメリックです。ミークアンの少量のスープが黄色なのは、ターメリックが入っているからです。そのおかげでスープに独特な香りや味わいがします。スープはいくつかパターンがありますが、一番多いのは魚介のだし汁と魚醤で作られたスープです。これを具と混ぜて食べるのが一般的な食べ方です。
レストランで食べるミークアンの価格は、一般的に30,000〜100,000VND(約170〜600円)程度です。地域や具材の種類によって価格が変動しますが、比較的リーズナブルな料理です。また、材料は作り置きしてあるので、麺をゆでて具をのせるだけなので注文して短時間でサーブされるので、時間がないときにもサクッと安く食べれる庶民の料理です。
ミークアンの思い出
ミークアンは私の2番目に好きな料理です。 しかし、私にとっては家で食べた思い出がありません。
私にとってミークアンの思い出は、学生時代に大学の近くの食堂で友達とワイワイしながら食べた事です。私のよく行っていたミークアン屋さんは、大学のすぐ近くのお店でした。このお店は、学生街のお店なので、とても安く、当時一杯20K VND(120円)だったと記憶しています。学校の授業が終ってお腹がすいたら、友達と一緒に行ってここでミークアンを食べながらおしゃべりをします。学校の勉強の事はさておき、誰がどの子と付き合っているとか…世界中の学生はみんな同じような感じだと思います。
このお店はおばあさんとおじいさんが経営している小さなお店で、私が通っていたダナンの大学のすぐそばでした。お金に余裕があるときだけですが、授業が終わるとたまにそのお店にいって、おじいさんとおばあいさんと話すのがとても楽しみでした。彼らは私の事をまるで孫のように扱ってくれて、丁寧に話をしてくれました。彼らはベトナム戦争前のベトナムを生きており、その時代がどんなだったかを私に話してくれました。私の両親もベトナム戦争前に育ったのですが、その話はあまりしたがりませんでした。おそらく多くのベトナム人がそうであるように、過去より未来を見ていたいからだと思います。ですので、彼らから聞く話が私にはとても興味深く、戦前のベトナムがどんな様子だったかに想いを巡らせるのが楽しみでした。
なので、私がミークアンを食べるときには、必ずあのおじいさんとおばあさん達の事や友達たちとワイワイガヤガヤおしゃべりをして楽しんだ時を思い出します。
ここまで読んでいただいたので、私がなぜソウル・フードと呼んでいるのかお分かりいただけたでしょうか?
地域ごとのミークアンの違い
ホイアンのミークアンはダナンに比べるととてもシンプルに見えますが、ホイアンのミークアンはなんとも言えない濃厚な味わいでとても美味しいです。 ミークアン麺は生麺で提供されます。 しかし、私がよく不思議に思うのは、同じ野菜なのに、なぜダナンでそれを食べるのかということです。 ホイアンとはまた違った味わいです。 豚肉、鶏卵、うずらの卵、エビフライ、ローストピーナッツライスペーパーなどのトッピングもすべて異なります。 だから、ベトナムに来たら、ミークアンを体験したいなら、ホイアンに行ってください
お勧めの店
ミークアンはダナン、ホイアンのそこら中のレストランでサーブされているので、どれが一番のおすすめなのかは本当に難しいです。ただ、高評価のお店は下記になります。
- Mi Quang Ba Vi(ダナン)
住所:166 Lê Đình Dương, Hải Châu 2, Hải Châu, Đà Nẵng
- Mì Quảng Cô Vân Hội An(ホイアン)
住所:329 Nguyễn Duy Hiệu, Cẩm Châu, Hội An, Quảng Nam
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